2024年3月14日カテゴリー:

果樹の接ぎ木実習【特別授業】

本日、総合学科生物資源系列では、昨年に引き続き2年生の接ぎ木実習をおこないました。

講師はOB(峡北高校)の須田上司さんです。

 

接木(つぎき)とは、植物の茎と茎、あるいは枝と枝をつなぎ合わせる技術を言います。

植物は怪我によって生じた断面同士が細胞分裂によってふたたび合着(ごうちゃく)する性質を持っており、これを応用することで接木は成立します。

一般的には病気に強い性質を持つものを土台として、食味の優れた性質のものを上部につなぎます。

 

講師の須田さんはブドウの苗業者さんで、ブドウの接木技術の特許を持っています。

果樹の学習の中で接木は、苗木生産の重要性と植物生理の仕組みについて学ぶ位置づけとなります。

 

 

須田さんが接木作業に使う機械はオメガ装置と言い、ブドウ栽培の本場フランス製のものです。

ペダルを蹴ると、ブドウの枝がΩ型に切断されます。

これがパズルのように組み合わさることで、2本の枝が隙間なくピタッと合着します。

土台となる品種は「101-14」、上部につなぐのは「マスカット・ベーリーA」です。

 

冒頭で接木の理論について説明を受け、その後、実習をしました。

 

 

生徒9名が参加し、一人10本ずつの接木を作成しました。

切り口には腐敗防止と合着促進のために赤紫色の専用蝋材を塗布します。

この時点では芽も根も無い棒ですが、須田さんが温度と湿度を管理してくださいます。

うまく合着したものは、芽と根が発生し、半年後には新しい1本の苗木になります。

 

楽しみですね。

 

実はこの日、3月1日に卒業したばかりの果樹の3年生も須田さんに会いに大勢集まってくれました。

須田さんと会うのはこれで4度目。

1年前の接ぎ木実習で作ったピオーネの苗は、生徒の自宅と学校のブドウ園で育ち始めています。